355:名も無き被検体774号+:2013/03/20(水) 00:37:07.43 ID:x60gR+VC0
「一週間まであと四日やなあ」
「それは……」
それはお姉さんが決めたことじゃないですか、と繋げたかったけど
俺にそんなことを言う権利はなかった
なにせこのあともずっとここにいたら
それはとても嬉しいことだけど
俺は沢山のことでお姉さんに迷惑をかけるだろうから
「ま、また次があるやろ」
なんのことだろうと首を傾げる
「ん? いや、したくないならええねんけど」
「え」
「うちは君みたいな可愛い子好きやからな、別にええよ、うん」
「は、はい」
男ってのは現金な奴だ
男、ってか
息子、ってか
次があると教えてもらってすぐにおっきくなりやがる
「ほんま、若いなあ」
にやにやとお姉さんが笑っている
恥ずかしくなって俯くけれど
それは同時に
嬉しくなって微笑んでしまったことを悟られたくなかったから
でも、お姉さんには好きな人がいる
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