1 名前:1:2008/04/15(火) 08:31:39.62 ID:8ChvwtkW0
2年前・・・会社の同僚と酒を飲んだ帰り道。
夜10時ごろだったと思う。
俺は暗がりの路地を駅に向かって歩いていた。
当時29歳の俺はごく普通のリーマンだった。
明日は土曜で会社は休みだ。
1日ゴロゴロしてゲームでもして過ごすか・・・。
なんて考えていたら・・・。
「ゴチンッ!」と今までに聞いた事のない音がした。
それと同時に後頭部に鋭い痛みが走る!
「なんや・・・これ??」と思いながらも
あまりの激痛に膝を突いた。
「ヤバイ・・・殴られた!」
2 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/15(火) 08:33:50.12 ID:rh4CPHSGO
ゴチンッwwwww



3 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/15(火) 08:34:15.70 ID:NVEuPR2f0
ゴチンッ! 



4 名前:1:2008/04/15(火) 08:34:55.16 ID:8ChvwtkW0
頭で色々考える・・・。
「なに?なんで?リーマン狩り??」
とっさに後頭部を手でなでる・・・。
なんか濡れてる・・・。
暗くてよく分からないが出血をしているみたいだ。
膝ざまづく俺に人影が忍びよる気配がした。



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/15(火) 08:35:37.46 ID:rh4CPHSGO
ゴチンッ!



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/15(火) 08:35:59.18 ID:Gx8TFbkt0
ゴチンッ!



8 名前:1:2008/04/15(火) 08:36:05.84 ID:8ChvwtkW0
「ヤバイ・・・とどめを刺される!!」
そう思った俺は「ゴルァ~~~!!寄って来たらブチ殺されんどぉ!!」
と喚きながら腕を振り回した。
高校時代、授業で柔道(ウチの学校は授業といえど結構本気)
趣味でボクシングをしていた。
この状態でも弱いヤツなら追い払うことができる。
というか・・・この時の感情は「殺したるっ!!」であった・・・。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/15(火) 08:36:29.42 ID:Gx8TFbkt0
ゴチンッ!



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/15(火) 08:36:44.87 ID:64gxmW3gO
ゴチンッ!



11 名前:1:2008/04/15(火) 08:38:40.13 ID:8ChvwtkW0
「やったんどコラァ~」「かかってこいや~」等と喚き散らす俺。
痛みと暗がりで相手はよく認識できできない・・・が
どうやら犯人は1人のようだ。
その時・・・相手がいきなり走りだした。
「逃げるつもりか!?逃がすかぁ」などと考え相手を追いかけた。
後頭部の痛みは激しい怒りのせいか忘れてた。



13 名前:1:2008/04/15(火) 08:40:46.50 ID:8ChvwtkW0
走る俺。相手は意外と足はが遅い!段々と相手との距離が縮まる。
相手はかなり小さい。ってか小さいどころではない。もしかして子供??
いきなり前方から鉄パイプが飛んで来た。
しかし走りながら投げた鉄パイプが命中するワケもなく俺の横で
「カコーン」と音を立てる。これで殴られたのか!!??
一瞬ゾっとした・・・。



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/04/15(火) 08:40:19.65 ID:qzo8oGGg0
>>1
おまいgame-guideのGG3じゃね?



14 名前:1:2008/04/15(火) 08:41:21.88 ID:8ChvwtkW0
>>12
え・・・?誰それ??



15 名前:1:2008/04/15(火) 08:41:55.89 ID:8ChvwtkW0
相手との距離が手を伸ばせば届く距離になった。
この時ハッキリと認識した。
相手は女だ!しかも小さい・・・子供かも??
これがのちに俺の彼女となる華との出会いだった。
どこの世界に初対面で、
後頭部を鉄パイプにより殴打された彼氏がいるだろうか・・・。



17 名前:1:2008/04/15(火) 08:42:57.48 ID:8ChvwtkW0
相手が女といっても興奮状態の俺は止まらない。
「待てやぁ~!こんボケがぁ~!!」と喚きながら
髪の毛を掴んで振り回す。
走る相手の髪の毛・・・一瞬全部抜けてしまうか!?
と思ったが相手は痛みのためか足を止めた。



18 名前:1:2008/04/15(火) 08:44:03.34 ID:8ChvwtkW0
「離せやぁ~!コラ~」などと抵抗する声はまさに女。
そして子供の声だった。
しかし怒り狂う俺はその声を無視して大外刈りを決めた。
軽い!相手は簡単に倒れる。背中を強打したようだ。
「ぅぐ・・・」と声が漏れる・・・。
俺は構わずマウントの体勢で胸倉を絞り上げる。
「お前・・・殺したるどぉ~」こんなことを言いながら俺は薄ら笑いを
浮かべてたと思う・・・。怒りのあまり理性は吹っ飛んでた。



19 名前:1:2008/04/15(火) 08:48:05.54 ID:8ChvwtkW0
この時相手の顔を初めて正面から見た。
一言で言えばかわいく綺麗な顔立ちだった・・・。
目は大きく少しキツイ感じ。髪は長めで色白。
その他のパーツも整っていた。しかし顔は幼い。
小学生だろうか!?



20 名前:1:2008/04/15(火) 08:51:57.20 ID:8ChvwtkW0
その童顔の顔で精一杯俺を睨みつける。
痛さと怖さで目から涙をこぼしそう・・・。
しかしそれを堪えて必死に俺を睨みつけてくる。
「敵に襲われ絶命寸前の小動物みたいやな・・・」などと思っていた。
必死にバタバタと抵抗する女。
しかし俺に胸倉を締め上げられているので
上手く声が出ない「はな・・・せ・・や」と喋る度に締め上げる。



21 名前:1:2008/04/15(火) 08:55:06.80 ID:8ChvwtkW0
すると息ができなく苦しかったのだろう。
目からポロッと涙が落ちた。
一瞬にして俺は「なにしてんだ?」と思い、この子供のような女が可哀想になった。
手を緩める。しかしマウントの体勢は崩さない。逃げられるからだ。
女は素早く涙を手で拭った。俺に見られたくないのだろう・・・。
しかしバレバレだ。
なんかそんな仕草が少し可愛かった。
「子供のくせにツッパリやがって」っといった感じだろう。



23 名前:1:2008/04/15(火) 09:00:45.20 ID:8ChvwtkW0
「立てや。警察いくど」そう言って女を起こしてあげた。
女は急に大人しくなる。
「警察いきたなぃ・・・」ボソッとそう呟いく。
俺は「仕方ないやん。悪いことしたらおまわりさんに捕まる。これ社会のルールやぞ」
といいながら腕を引っ張る。イヤイヤと抵抗して足を動かさない女・・・。
少しマズイ。ここは人通りは少ないが通行人が見たら
「強引に子供をナンパするロリコン男」だろう。
俺は「ちょっとそこの公園行こう」と言って女を公園のベンチに座らせた。



24 名前:1:2008/04/15(火) 09:03:34.41 ID:8ChvwtkW0
後頭部が痛い・・・痛みが復活していた。
俺は女に聞いく「なんであんな事したんや?見ず知らずの人間襲うなんて?」
女は意外と素直に話出す「お金が欲しかったねん・・・」
絶句。この年で強盗傷害かよ・・・。
「なんで金欲しいねん?」
「・・・・」
女は黙り込む。この時俺は考えていた。この女を警察に突き出すかどうか?
「ぅぅ・・・」急に女が背中に手を回してか細い声を上げた。
俺の大外刈りで強打した背中だ。
「大丈夫か?痛いんか?」
女は唇をかみ締めながら「痛なぃ・・・」と言った。
どこまで気が強い子供なのだろう。
「なんで警察行きたくないんや?」
「親に連絡される・・・し」
俺はこの時に思った。いくらとんでないガキだろうが所詮親が怖い年頃だ。
許してもいいかな・・・。
なぜかそんな思いがよぎってきた。



25 名前:1:2008/04/15(火) 09:06:50.30 ID:8ChvwtkW0
「お前名前はなんていうんや?」俺は聞いてみた。
「・・・・華」
嘘かもな?おそらく嘘やろな・・・。
そう思ったが確かめる術がない。
この年だと免許も持ってないことは確実だ。
「何歳や?」
「・・・14」
最悪小学生かと思っていた華は中学生だった。
さすがに小学生が鉄パイプでリーマンの後頭部を殴ることはないか・・・。
いやいや中学生でもない話だ。



27 名前:1:2008/04/15(火) 09:09:47.42 ID:8ChvwtkW0
「お前学校行ってんか?」そんな質問をした瞬間。
「ぅ・・ぅっ・・ぅぅ・・・」突然華が涙をポロポロ流しだした。
なに?今の質問のなにが涙腺を刺激したのだ?
意味は分からないが泣き顔は子供のそれだった。
俺はもうこの時、完全に警察に突き出す意志は消えていた。
「泣くなよ」そんな言葉まで掛けていたのだ。



33 名前:1:2008/04/15(火) 09:14:36.82 ID:8ChvwtkW0
「分かった。警察はやめとこう。その変わりお前の自宅の番号教えてくれ!
親御さんにこの後頭部の傷の慰謝料は請求させてもらうかもしれん。
その代わり警察はなしや。それでええか?」
少し考える華。目は泣きすぎたためか真っ赤だ。
「それも・・・ぃや・・・やねん」
「・・・・・・・」
本当は慰謝料を請求するつもりはあまり無かった。
しかし社会的責任を負わす意味で脅しを掛けたのだ。
それでも嫌というのなら仕方ない。
もうあとの判断は華に委ねよう。
14歳といえば子供かもしれないが、自己責任くらいは考えられる年だろう。
「んじゃお前は、俺の後頭部をいきなり殴って傷を負わせた責任をどう考える?」



36 名前:1:2008/04/15(火) 09:19:30.54 ID:8ChvwtkW0
「・・・・・・」考え込む華。
そして出した答えは
「うちが自分で慰謝料を払う。家の番号は嫌や・・・。うちの携帯教える」
そうきたか。子供の発想だがそれでもいい。少しは反省している様子だ。
それに華の番号でも知っておくことは大切だ。
この後「脳内出血してました」などの展開を迎えたら
さすがに連絡先を知らないわけにもいかない。
華の携帯から俺の携帯へ着信をさせた。
これでこの番号は少なくとも嘘じゃない。
解約されたら終わりだが・・・。
「もう帰ってええわ。遅い時間やし」
俺がそう声を掛けると華はノソノソとベンチから立ち上がり
出口の方へ歩いていった。その姿はすごく寂しそうだった。
俺は公園のベンチに座って休憩していた。
興奮が冷めると同時に、華に見舞われた一撃が痛み出す。



38 名前:1:2008/04/15(火) 09:24:47.67 ID:8ChvwtkW0
夜の公園でボーっと考えていた。
俺の中学時代はいつも勉強もせず友達と遊んでた。
野球したりゲームしたりして。なんで華みたいな寂しいガキがいるのだろう?
これが現代の中学生なのか?
そんなことを考えながら後頭部を触っていた。
すると・・・公園の入り口に人影が見えた。
近づく人影。小さい・・・女??華だった。
「お前・・・どしたん?」
「・・・・・・」
華はなにも話さず俺の前に立っている・・・。
「報復にきた!?」一瞬脳裏にそんな思いがよぎる。
ナイフでも出された日には最悪だ!!
すると華はゆっくり右手を差し出す。
そこにはハンカチが握られていた。
「これで・・・血拭いて・・・」



44 名前:1:2008/04/15(火) 09:31:27.89 ID:8ChvwtkW0
そういって華はポカーンとする俺の膝にハンカチをそっと置いた。
正直驚いた。華は俺にハンカチを渡すと走ってまた出口に向かった。
ハンカチ・・・。
「あのガキも意外に女の子やなぁ~。」そんなことを思った。
それが華との出会いだった。
しかしこの出会いがとんでもない結果を招く。
華は俺が手に負える女ではなかった。
規格外のモンスターだった(少し大袈裟かな)

とんでもない彼女は強盗【第2部】





女強盗
菊池 寛
2012-09-14