1 :しがない北の人:2012/09/13(木) 22:22:02.48 ID:Bpv7/+Lo0
ひろし「えーと何々…
"5月26日。
しんのすけと公園で遊んだ。
とても久しぶりのことだったから、俺も嬉しかったし、しんのすけも嬉しそうだった。
かけっこをしていた時、しんのすけは転んだのに泣かなかった。
こいつも成長してんだなぁ、と思える一日だった。"
ははっ、懐かしいなぁ。」
3 :しがない北の人:2012/09/13(木) 22:22:02.48 ID:Bpv7/+Lo0
みさえ「あなたぁー?どこにいるのー?」
ひろし「ここだよー。」
みさえ「あ、いたいた。ちょっとお買い物に…って、何見てるの?」
ひろし「あぁ、実はこっそり日記つけててさ。
こないだ片付けてる時に見つけたから、読み返してみようと思ってよ。」
みさえ「へーえ。私も見ていい?」
ひろし「おう、こっちこいよ。」



5 :しがない北の人:2012/09/13(木) 22:28:42.14 ID:Bpv7/+Lo0
みさえ「えーと…
"5月29日。
たまには運動もしようと思って、帰ってきてからしんのすけと一緒にシロの散歩に行った。
子どもの通る道はハチャメチャだと実感した。
というかあいつはいつもあんな道を歩いてるのか?
本当なら危ないぞ、とか注意してやるべきなんだろうけど、
楽しかったから良しとする。
また今度一緒に行きたいな。"
…あぁ、これ足痛いって騒いでたあの時ねw」
ひろし「35歳だった俺には辛かったんだよ!」



8 :しがない北の人:2012/09/13(木) 22:34:54.49 ID:Bpv7/+Lo0
みさえ「んじゃあ次見てみましょ。
"6月3日。雨が酷い。
こんな雨の日でもはしゃげるしんのすけは天才だと思った。
でもカエルごっこして風邪をひいたしんのすけはやっぱり馬鹿だと思った。
そんで雨の日でも無理やり散歩に連れていかれるシロが可哀想だった。"
えー?!雨の日にも連れてってたのあの子?!」
ひろし「雨の日でもおさんぽに連れてってあげたんだゾ!
って本人は誇らしげだったぞw」
みさえ「はぁー…」



11 :しがない北の人:2012/09/13(木) 22:43:24.53 ID:Bpv7/+Lo0
ひろし「次々。
"6月8日。久しぶりの晴れだ。
帰ったらみさえが風邪をひいていて、高熱を出していたことに驚いた。
病院に連れて行きたかったけど、みさえが大丈夫だと言ったから連れていかなかった。
俺が帰るまで、しんのすけが看病をしていてくれたらしい。
あいつは頼りになる奴だ。さすが俺の息子。
みさえが飯作れないから俺が作ったけど、やっぱりみさえの飯の方が美味いと思った。
早くみさえの熱が下がるのを願う。"
…なんか、恥ずかしいの読んじまったな。」
みさえ「やだあなた…そんなことも書いてたの?///」
ひろし「に、日記のネタが無かったからな!!!
さぁー次読んでみよー次!!!」



15 :しがない北の人:2012/09/13(木) 22:49:42.31 ID:Bpv7/+Lo0
みさえ「"6月11日。今日は特に何も無かった。
我が家は幸せだ。帰れば妻と子どもが待ってる。
離婚した○○君の話を聞いて、我が家は幸せだと余計に感じた。
離婚なんて不幸しかないだろ、と俺は思う!
離婚なんて絶対しない!"
…あなた///」
ひろし「なんでさっきからそんな恥ずかしい内容のばかり読むんだよ…///」
みさえ「ん?
"あ、だけど目移りはするかも(笑"
…あなた?」ゴゴゴゴゴ
ひろし「冗談だって!!さ、次々!!」



18 :しがない北の人:2012/09/13(木) 22:59:40.53 ID:Bpv7/+Lo0
みさえ「もう…
"6月13日。ひまわりとしんのすけが二人並んで居間で居眠りしているのを発見。
子どもの寝顔って最強だよな、仕事の疲れが吹っ飛んだ。
明日も仕事頑張れる。"
ねぇ、これ何年前の日記?」
ひろし「えーとな、確か…確か…………」
みさえ「忘れちゃったのね?」
ひろし「すまん…まぁ気にしないでおこうwさぁ次々。」



20 :しがない北の人:2012/09/13(木) 23:04:26.23 ID:Bpv7/+Lo0
ひろし「"6月19日。ひまわりが俺の足の匂いを嗅いで吐いた。
俺はトイレで泣いた。"
…………。」
みさえ「あったわねぇwwwwwwwwwwそんなことwwwwwww」
ひろし「そんなに笑うなよぉ…(グスン」



26 :しがない北の人:2012/09/13(木) 23:14:51.20 ID:Bpv7/+Lo0
みさえ「次は…
"6月26日。みさえと喧嘩した。
ムカついたから外で食ってきた。
初めて入ったラーメン屋で、あんまり美味しくなかった。
帰ってみて、食卓の上に俺の分のおかずが残ってて少し泣きそうになった。
結局しんのすけに食われたけど。"
えー、何やってんのよしんのすけ…」
ひろし「食いたかったんだってさ。」
みさえ「ねぇ、この時私何のおかず残してたっけ?」
ひろし「覚えてないや。」
みさえ「まぁそうよね。大分前だものねー」



27 :しがない北の人:2012/09/13(木) 23:23:12.94 ID:Bpv7/+Lo0
ひろし「"7月2日。凄く綺麗な青空だった。
しんのすけが海に行きたいと騒いでいたから、もう少し暑くなったら行こうと思う。
ひまわりは初めての海だ。
子どもを連れていくのもいいけど、たまにはみさえと二人で行きたいとも思う。"」
みさえ「そういえばいっつもしんのすけが、海に行きたいって騒いでたから行ってたわよね。」
ひろし「確かに。海に行ってはあいつさ、
カニを俺の股間に押し当てたりとか、
綺麗なお姉さん追いかけたりとかしてたなw」
みさえ「私なんて水着の上持っていかれたことあったわよ。」
ひろし「…随分懐かしい話だな。」



28 :しがない北の人:2012/09/13(木) 23:26:34.39 ID:Bpv7/+Lo0
みさえ「"7月9日。
最悪だ。俺の秘蔵エロ本が全部消えた。泣きたい。"
………こんなことまで日記に書いてたのね。」
ひろし「日記のネタになるくらい悲しかったんだよ!」



31 :しがない北の人:2012/09/13(木) 23:36:10.97 ID:Bpv7/+Lo0
ひろし「もうそれはいいから次読むぞ!
"7月18日。今日はひまわりがおかえりの出迎えをしてくれた。
天使の笑顔だと思った。この笑顔のために俺頑張る。
と思ったけど少し目を離した隙に重要書類を破られた!
天使の笑顔が悪魔の笑顔になった!
でも可愛い!ちくしょう!"
あ、うん、ほんとにこの時は悪魔かと思ったよ…。」
みさえ「破られるようなところに置いておくのも悪いわよw」
ひろし「判子押すだけだったんだよぉ…」



32 :しがない北の人:2012/09/13(木) 23:42:30.06 ID:Bpv7/+Lo0
みさえ「"8月9日。しんのすけが夏休みになった。羨ましい。
今度の休みは海に行こうと思う。
ゴルフ誘われたけど、いやそっちも捨て難いけど
しんのすけと男の約束をしたからなぁ。
ゴルフはまた今度にする。"」
ひろし「あーあったなぁそんなこと。」
みさえ「しんのすけとの約束は守るのに、私との約束は守らないのね。」
ひろし「え?!」
みさえ「こないだ洗濯物取り込んでって言ったのに
取り込んでくれなかったじゃなーい!」
ひろし「いや、え、すまん!!」



54 :しがない北の人:2012/09/14(金) 21:28:31.25 ID:GfCwWBer0
みさえ「んもぅ…
"8月20日。今日は祭りに行った。
盆踊りをやっていたから参加してみた。
しんのすけが「半ケツ音頭~!」とかいいながら
踊っていたのには恥ずかしかった。
思わず怒ったけど、楽しそうだったなぁ。
その後は花火を見た。
しんのすけとひまわりの良い思い出になってるといいな。"
そういえばあったわねぇ、こんなこと。」
ひろし「花火の音でひまわり泣いてたよな~。」
みさえ「なだめるの大変だったんだから…
でも、一度泣いた後は花火に夢中だったのよね。」
ひろし「また見に行きたいなぁ。」



56 :しがない北の人:2012/09/14(金) 21:32:35.22 ID:GfCwWBer0
みさえ「ねぇねぇこれきっとしんのすけが
幼稚園に通っていた頃のよね?」
ひろし「読む限りそうだろうなぁ。」
みさえ「もう少し先のは無いのー?」
ひろし「ページめくってみたら?」



57 :しがない北の人:2012/09/14(金) 21:36:41.80 ID:GfCwWBer0
みさえ「……あっ!
"5月5日。しんのすけが7歳になった。
身長も幼稚園の時と比べると随分高くなった。
そのうち父ちゃんを追い越すゾ!なんて意気込んでいた。
勉強も頑張っているらしい。
参観日がもうすぐやってくる。楽しみだ。"
しんのすけが7歳になった時のね。」
ひろし「ケーキ食べすぎだろってくらい食ってたなぁw」
みさえ「ひまわりもこのくらいよね、幼稚園に通い出したの。」
ひろし「あぁ、なかなかおてんば娘だったなぁ。」



58 :しがない北の人:2012/09/14(金) 21:43:48.71 ID:GfCwWBer0
みさえ「"5月19日。待ちに待った参観日だ。
科目は国語。音読を披露してくれたが、しんのすけは
ワザとなのかわからないけど読み間違えが多かった。
それでもひょうひょうとしていられるあいつは
きっと将来大物になるに違いない。
ところで担任が可愛かったなぁ。"
……(ギロリ」
ひろし「な、もう少し先読んでみないか!な!」



61 :しがない北の人:2012/09/14(金) 21:59:43.08 ID:GfCwWBer0
ひろし「"10月23日。少しずつ冷えてきたこの頃。
しんのすけはシロの散歩に、ひまわりも連れていくようになった。二人とも楽しそうだ。
俺も一緒に行きたいけど、仕事が忙しい。
子ども達もどんどん忙しくなるだろう。
一緒にいれる時間が少なくなるのは寂しい。"
……なんかちょっと寂しいこと書いてるな。」
みさえ「ほんと、しんのすけが小学校に入ってから
あなた忙しくなったわよね。」
ひろし「みさえとの時間も減っていったよな。」
みさえ「その分、今を一緒に過ごしてるんでしょ。」
ひろし「みさえ…。」



67 :しがない北の人:2012/09/15(土) 00:06:59.43 ID:DC9WjEd80
みさえ「ね、もう少し先見てみましょうよ。」
ひろし「そうだな。えーと…
"1月13日。親父が秋田からわざわざ遊びに
来てくれた。しんのすけがとても喜んでいた。
お袋は少し病気になっちまったらしい。
今は入院してるけど、退院できるのは大分遠いみたいだ。
まぁお袋も年だってのはわかっていたけど、なんだか辛い。新年早々入院とか、縁起悪くないか?
早く退院してくれることを願う。"
…あー。」
みさえ「お義母さんが入院した時の…」
ひろし「俺こんなことまで書いてたんだな。」
みさえ「こんなこと、じゃないでしょ。」
ひろし「…まぁな。よし、次々。」



68 :しがない北の人:2012/09/15(土) 00:11:58.93 ID:DC9WjEd80
みさえ「"4月16日。会社の花見の日だった。
が、あいにく雨が降って延期…明後日になった。
絶対雨が降りませんように!"
ねぇ、これ延期してもずーっと雨降った時のじゃない?w」
ひろし「かもなぁw
しんのすけとひまわりがてるてる坊主作ってくれたっけなぁ。
結局晴れなかったけどさ。」
みさえ「町内会の花見も雨だったわよね。」
ひろし「今となっちゃ良い思い出だよ。」



81 :しがない北の人:2012/09/15(土) 22:29:43.57 ID:DC9WjEd80
ひろし「"6月5日。しんのすけがカエルを拾ってきた。
小学生にもなって幼稚園の時とやってることが変わらない。
それが良いことなのか悪いことなのか、俺はいまいちわからない。
とりあえずカエルに驚いていたみさえが面白かった。"
すぐ窓から投げ捨てたよなwぎゃー!って叫びながらw」
みさえ「だ、だって本当に驚いたんだもの!」
ひろし「驚きすぎだったろw」



82 :しがない北の人:2012/09/15(土) 22:36:27.04 ID:DC9WjEd80
ひろし「"6月10日。今日も雨。
今度はひまわりがカエルを拾ってきた。
兄貴によく似たなぁ…それでいいのかひまわり。"
あったなぁこんなことw
みさえがカエルを投げ捨てても持ってくるんだもんなぁひまわりw」
みさえ「あの子、変なところに根性出すのよ…」



86 :しがない北の人:2012/09/15(土) 22:58:26.37 ID:DC9WjEd80
みさえ「"8月4日。しんのすけとひまわりが夏休みだ、羨ましい。
今度休みが取れたらまた海を見に行きたいと思う。
今日帰りに飲みに行ったら、園長先生とお会いした。
相変わらず見た目はアレだったが、なんだか老けた印象があった。
いや、失礼すぎたか。"
失礼じゃない?」
ひろし「いや、でもなぁ、白髪増えてきててさ。」
みさえ「あなたも同じよw」
ひろし「まぁ、確かになw」



87 :しがない北の人:2012/09/15(土) 23:03:12.38 ID:DC9WjEd80
みさえ「さーて次は…あら、しばらくまた明日書くってばっかり書いてあるわね。」
ひろし「しんのすけが小学生だった頃は、俺も昇進したばっかりで忙しかったからな、なかなか書けなかったんだよ。」
みさえ「そっかぁ。次のはどこに書いてあるのかしら…あ、あった!」
ひろし「どれどれ?」



89 :しがない北の人:2012/09/15(土) 23:25:28.33 ID:DC9WjEd80
みさえ「"11月28日。久々に日記を書くことにする。
久々なのに、書くことが悲しすぎる。
でも俺は書く。今日、お袋が死んだ。
死んじまった。看取ることもできなかった。
快方に向かっているって聞いたのに。
一昨日元気そうな電話をもらったばかりなのに。
容体が急に悪化したそうだ。癌なら仕方ないのかな。
去年見舞いに行った時は元気そうだったのにな。
しんのすけとひまわりを見て、とても嬉しそうだったな。
葬式のために仕事を休んだ。秋田に行く。
しんのすけとひまわりは嘘だと騒いで泣いている。
俺も嘘だと信じたい。お袋はまだ生きてるはずだ。
お袋がいなかったら、誰が親父の悪ふざけを止めるんだよ。
お袋。なんでだよ。俺まだ親孝行してないのに。"
……つるさんが亡くなった時に日記、再開したのね。」
ひろし「あー…そうみたいだな。お袋元気かなー。」
みさえ「きっと元気よ。お義母さんですもの。」
ひろし「…だよな。」



95 :しがない北の人:2012/09/15(土) 23:43:09.82 ID:DC9WjEd80
ひろし「さぁ次々!
"4月10日。しんのすけの入学式。
あいつもついに中学生になる。たくましくなったもんだ。
校門前で写真を撮ったから、後で親父とお義父さんに送っておこう。"
あ、俺写真も日記に貼ってたんだな。」
みさえ「わぁ、懐かしい!この頃は若かったわねぇ。」
ひろし「ひまわりもまだ髪の毛短くしてたんだな。」
みさえ「ねぇ、これ後であの子達にも見せてあげましょうよ。」
ひろし「えー?俺日記見られるのやだなぁ。
遺品整理してる時とかに見つけてもらえればいいよ。」
みさえ「んもぅ、嫌なこと言わないで。遺品整理なんて…」
ひろし「いやぁすまん、ついうっかりw」



97 :しがない北の人:2012/09/15(土) 23:49:51.91 ID:DC9WjEd80
ひろし「"5月29日。ひまわりが遠足に行ってきた。
ひまは絵を描くのが好きらしい。山がとても綺麗だったから写生画を描いたみたいだ。
見せてもらったけど、とても上手だった。
先生にも褒められたと喜んでたな。
女の子らしく育ってくれて、父ちゃんちょっと嬉しい。"
そういやこん時の絵ってどこに行ったんだ?」
みさえ「ひまわりが持っていっちゃったんじゃないかしら?」
ひろし「そっかぁ、もう一度見たいな。」
みさえ「でもひまわりの描いた絵なら、居間に飾ってあるじゃない。」
ひろし「あれじゃなくてさ、本当に描き始めたばかりのを見たいんだ。」
みさえ「そう?じゃあ今度見せてくれって頼んでみたら?絶対嫌がりそうだけどw」



114 :しがない北の人:2012/09/16(日) 23:09:53.21 ID:B+b4JnWc0
みさえ「"8月24日。今日はお祭りだった。
しんのすけが友達と祭りに行った。
もう俺たちと一緒に祭りに行くことはないのかな。
そう考えると少し寂しかった。
ひまわりはまだ俺たちと一緒だ。
ところで、ひまわりはまだ花火が少し怖いらしい。変わってないなぁ。"
しんのすけの親離れが始まった頃ねw」
ひろし「いやー俺ほんとにその時ちょっとショックだったんだよなぁ。」
みさえ「ずーっと一緒だったものね。」
ひろし「親父もこんな気持ちだったのかなぁ。」
みさえ「きっとそうなんじゃないかしら。
親の気持ちは親になってみないとわからないってよく言うけど、その通りだと思うわぁ。」



116 :しがない北の人:2012/09/16(日) 23:19:36.14 ID:B+b4JnWc0
ひろし「中学校あたりからぐっと大人びてきたもんな、しんのすけ。」
みさえ「そうなのよね。
確かしんちゃんって呼ぶのやめてくれって言ったのも中学校の時だわ。」
ひろし「でも美人なお姉さんを追いかける癖は変わらなかったなw」
みさえ「あ な た も ね。」
ひろし「はは、すまんすまんw」



117 :しがない北の人:2012/09/16(日) 23:28:52.38 ID:B+b4JnWc0
ひろし「そういえばしんのすけは中学の時、部活に入らなかったよな。」
みさえ「どれもある程度できちゃったものねw」
ひろし「ほんとにあいつは天才なんだと思っていた時期が俺にもありました(遠い目)」
みさえ「私もあったわ(遠い目)」



124 :しがない北の人:2012/09/17(月) 22:19:33.47 ID:6SvgXtEV0
ひろし「"9月9日。中学校の文化祭の日だった。
しんのすけは劇をやっていた。
坊主頭の王子様ってどうなんだろうか。
なんにせよ、昔からごっこ遊びが好きだったから演劇は上手だった。
演劇部が無いのが残念なくらいだ。
ひまわりが早く中学生になりたいと言っていた。"
これ見た時は笑ったなぁw」
みさえ「まさか王子様役だなんて思っていなかったものねw」
ひろし「ひまわりが王子様より悪い敵役の方がイケメンだって騒いでたっけw」
みさえ「中学生になってあの人とお話したいーなんて言ってたわねぇ。懐かしいわ。」



135 :しがない北の人:2012/09/18(火) 06:44:28.18 ID:rtO28ORr0
ひろし「"10月16日。しんのすけが部活ごとに付けられたあだ名を教えてくれた。
野球部→変化球のしんのすけ
サッカー部→高速ドリブル野郎
卓球部→二刀流
バドミントン部→よそ見サーブ
陸上部→脚力マン
バスケ部→フェイントのしんのすけ
文芸部→脳みそ宇宙
とまぁこんな具合だったらしい。俺はあだ名をつけた奴のセンスを疑う。"
酷いなぁ色んな意味でwww」
みさえ「こんなあだ名付けられてたのあの子www」
ひろし「1ヶ月程度で呼ばれなくなったらしいけどなw」



146 :しがない北の人:2012/09/19(水) 01:57:55.00 ID:4EE3f/Gm0
みさえ「あ…
"11月13日。金曜日。何か不吉なことが起こりそうだと思っていたら本当に起こりやがった。
みさえがいつもみたいにしんのすけに買い物を頼んだ。
そしたらちょうど通り魔に遭遇するなんてな。
俺が買い物に行けばよかった。俺が刺されればよかったんだ。"
…あなた、この事も書いてたのね。」
ひろし「記憶に残しておこうと思ってな。」
みさえ「あぁもうやだ。思い出して泣けてきたじゃない…」



147 :しがない北の人:2012/09/19(水) 02:03:42.65 ID:4EE3f/Gm0
みさえ「"11月16日。アメリカンに俺は叫びたい。
なんてこった!!!!!
たった3日でほぼ完治とかあいつは化け物か!
俺とみさえは泣きながら医者と本人に何度も確認した。本当に大丈夫なのかと。
二人とも揃って大丈夫って言うから驚きだ。
しんのすけに傷を見せてもらったらほとんどふさがっていた。
けっこう深かったと思ったんだが…まぁ何にせよ若いっていいなって思った。
明日はケーキを買って帰ろうかな。"
本当にね!しんのすけの生命力は凄まじいと思ったわ!
あの子本当に心臓に毛が生えているんじゃないかしら…」
ひろし「あれほど驚いた日はなかったなw」



148 :しがない北の人:2012/09/19(水) 02:07:29.36 ID:4EE3f/Gm0
みさえ「はぁ、それにしてもあなたの日記ってなかなかクレイジーね。」
ひろし「おいアメリカン移ってるぞ。」
みさえ「あらやだ。」
ひろし「それ以降はけっこう短くてつまらんな…」
みさえ「"起きた。仕事した。子ども達は今日も元気だ。"
ほとんどそんな感じね。」
ひろし「あ。」
みさえ「どうしたの?」
ひろし「これ…」



149 :しがない北の人:2012/09/19(水) 02:13:52.66 ID:4EE3f/Gm0
みさえ「なになに?
"2月20日。秋田の病院から電話があった。
親父が屋根の雪下ろしをしていて、転落したらしい。
非常に危ない状態だから急いで来てくれって。
何やってんだよ親父…。
おふくろに呼ばれたのか?まだ早いだろ。
とりあえず有休取って皆で秋田に行くことにする。
親父が無事であることを祈る。"
あなた、これ…。」
ひろし「次に何が書いてあるのか大体予想ついたろ?」
みさえ「えぇ。」



150 :しがない北の人:2012/09/19(水) 02:19:21.35 ID:4EE3f/Gm0
みさえ「"2月27日。くそ!くそ!
俺はまたアメリカンに叫びたい!なんてこった!
たった1週間でほぼ完治ってどういう体してんだあの親父!わけわかんねぇ!もう良い年だろ!
何が美人看護師見てたら元気になっただよ!
何がマンモスも元気になっただよ!この変態ジジイが!俺の心配を返せ!
…よく考えてみたら、刺されて3日でほぼ完治するしんのすけのじいちゃんだ。
親父もきっと心臓に毛が生えているんだろう。多分白髪。
俺はおふくろに似たんだなってしみじみ思った。"
こんな内容だって思ってたわよwww」
ひろし「本当にこの時ばかりは親父を殴りたかった。」
みさえ「切実ねwwwww」



165 :しがない北の人:2012/09/19(水) 22:37:57.66 ID:4EE3f/Gm0
みさえ「"3月3日。ひまわりが女の子の日だと騒いでいた。
みさえも騒いでいた。みさえは違うと思った。"
…(ジロリ」
ひろし「いやだってみさえはその時おばs」
みさえ「やかましいー!」(殴
ひろし「痛えええ!!」
みさえ「乙女心を持っていればいつでも女の子なのよ!」



166 :しがない北の人:2012/09/19(水) 22:41:39.01 ID:4EE3f/Gm0
ひろし「"5月5日。しんのすけが男の子の日だと騒いでいた。
俺も騒いでみた。誰も相手にしてくれなかった。"
ひまわりには「は?」って言われたからな!俺ちょっと泣いたからな!」
みさえ「どんまいwww」
ひろし「笑うなよおおおお!!」



177 :しがない北の人:2012/09/20(木) 21:37:06.36 ID:qQR0kx1B0
みさえ「あ…
"6月26日。お義父さん…よし治さんが心臓発作で突然倒れて、そのまま亡くなってしまった。
お義母さんがとてもショックを受けて、寝込んでしまった。
みさえもしばらく泣いていた。
しんのすけは二人を励まそうと必死だった。
ひまわりも励まそうとしていた。
俺、よし治さんともう一度一緒に酒を飲みたかったな。
たくさん話したかった。もっと話しておけばよかったかな。俺、バカだ。
よし治さん、俺がそっちに行った時、一緒に酒飲みましょうね。"
…飲む約束してたのね。」
ひろし「あぁ。最後に一緒に飲んだ時に約束したんだ。
今度は二人で飲み屋に行こうってさ。」
みさえ「きっと待ってるわね、お父さん。」
ひろし「きっとな。だけど、もう少し待っててもらうよ。」



193 :しがない北の人:2012/09/21(金) 23:34:57.15 ID:0HDBNsMv0
みさえ「"7月4日。ひまわりが大騒ぎしていた。
何事かと聞いてみると、お父さんには言えないと言われてしまった。
後からみさえから聞くと、どうやら女性として階段を一つ登ったみたいだ。今夜は赤飯だな。"
やだぁ、あなたこんなことも書いてたの?」
ひろし「ひまわりが大人に近付いた証拠だからな。一応。」
みさえ「この時、しんのすけがとても慌ててたの覚えてる?」
ひろし「あぁwどうすればいいのかわからなくなってたなw」
みさえ「そうしてみんな大人になっていくのよねぇ。」



200 :しがない北の人:2012/09/22(土) 22:58:10.71 ID:vhRHa+tv0
みさえ「"7月29日。しんのすけが入部届を持ってきた。
入りたい部活はなんと写真部。
中学の時は結局部活はやらなかったけど、高校でまさか写真部に入るとは思っていなかった。
これからの活動が楽しみだ。"
なんで写真部に入ったんだっけ?」
ひろし「確か写真部の友達のカメラで撮った写真が独特で芸術的だったらしくて、写真部の顧問にスカウトされたからだったはずだな。」
みさえ「あぁ、そんな感じだったっけw」
ひろし「しんのすけの撮る写真は他の人には無いセンスがあったな。」
みさえ「私はセンスとかいまいちわからなかったわw」



201 :しがない北の人:2012/09/22(土) 23:14:10.51 ID:vhRHa+tv0
みさえ「"8月6日。親父がこっちに遊びにきた。
俺と買い物に行ってる時に、反対側の歩道を歩いているお姉さんに見惚れて車に轢かれた。
俺は冷や汗が止まらなかったのに、親父は何故か切り傷で済んだ。
親父はまだまだ死なないな、と思った。"
…は?!なにこれ?私聞いてないわよ?!」
ひろし「いや、結果的に生きてたから言わなくていいかなーって」(遠い目)
みさえ「でも言ってよ!!危なっかしいわねぇお義父さん…。」
ひろし「危なっかしいどころの騒ぎじゃないと思うぞ。」



202 :しがない北の人:2012/09/22(土) 23:50:13.54 ID:vhRHa+tv0
ひろし「あー…こっからまたしばらくサボったな、俺。」
みさえ「あらほんとね。あまり書いてないわ。」
ひろし「なーんか面白いこと書いてないかなぁ。」



211 :しがない北の人:2012/09/23(日) 23:56:20.60 ID:GLHCkg3n0
みさえ「あら?」
ひろし「……ありゃりゃ、すっかり書いてねーや。しんのすけが成人して、ひまわりが高校生くらいでやめちゃったんだな。」
みさえ「ねぇ、今日からまた書き始めたら?」
ひろし「えー?」
みさえ「だってほら、まだこんなにページが残ってるんだしw」
ひろし「まぁ、気が向いたら書いてみるかなー。」
ピンポーン♪
みさえ「あら、誰かしら?」



212 :しがない北の人:2012/09/24(月) 00:00:47.25 ID:f3ukDQ1I0
みさえ「はぁーい。」(ガチャ
???「やっほー久しぶり、お母さん。」
みさえ「ひ…ひまわり!!どうしたの?今日来るなんて聞いてないわよ?!」
ひまわり「いやー、連絡入れようと思ってたんだけど、すっかり忘れちゃっててさw」
みさえ「もう、ビックリさせないでよね!」
ひまわり「いや多分もっとビックリするよw」
みさえ「え?」
ひまわりの娘「おばあちゃーん!」
みさえ「あら?!あんたも来てたの?!」
ひまわりの娘「うんー!」
みさえ「久しぶりねぇ、少し見ない間にこんな大きくなって…」



214 :しがない北の人:2012/09/24(月) 00:04:18.17 ID:f3ukDQ1I0
ひまわり「やだお母さん年寄りっぽいw」
みさえ「もう年寄りです!あ、ねぇこれから買い物行くところだったのよ。一緒に行かない?」
ひまわり「あーいいねー。でももう少し待ってくんない?」
ひろし「おーいみさえどうしたんだ…ひまわり!?どうしたんだまた旦那と喧嘩したのか?!」
ひまわり「やっほーお父さん。もう違うってばーw」
ひろし「え、じゃあなんで…」
ひまわり「…今日、何の日か覚えてないの?」



219 :しがない北の人:2012/09/24(月) 00:14:38.13 ID:f3ukDQ1I0
ひろし「今日…何かあったっけ?」
みさえ「さぁ?」
ひまわり「二人して覚えてないの?」
ひろし&みさえ「うん」
ひまわり「はーっ…マジありえない…」
ひまわりの娘「ありえなーい!」



220 :しがない北の人:2012/09/24(月) 00:21:17.39 ID:f3ukDQ1I0
ひまわり「まぁいっか。とりあえず買い物行こ。」(スタスタ
ひまわりの娘「あたちもいくー!」
ひろし&みさえ「…?」
-夜-
みさえ「ねぇ、ひまわり。なんでまだご飯食べたらダメなの?」
ひまわり「人が揃ってないから。」
ひろし「一体どういうことなんだ?」
ひまわり「まだ言えない。」
ひまわりの娘「キャッキャw」



240 :しがない北の人:2012/09/24(月) 20:41:06.96 ID:f3ukDQ1I0
ピンポーン♪
ひまわり「あ、きた。」
ガチャ、バタバタバタバタ…
??「遅れてごめーん!!」
ひまわり「いやマジ遅いんだけど。」
ひまわりの娘「おそいんですけどー!」
??「いやー今日羽田に着いてさーそっから走ってきたんだゾ!」
ひまわり「いやタクシー使えよ。」
??「だってお金…」
ひろし&みさえ「( ゚д゚)」



251 :しがない北の人:2012/09/24(月) 22:17:29.27 ID:f3ukDQ1I0
ひろし「し、しんのすけ?!」
しんのすけ「よっ、父ちゃん!お久しぶりぶりざえもん!」
ひろし「懐かしいフレーズだなぁおい。」
みさえ「ってそうじゃなくて!しんのすけ、あんたしばらく帰って来れないって…」
しんのすけ「えー?俺そんなこと言った?」
ひろし「アメリカ50州の旅行雑誌の写真撮りに行ってたんじゃなかったのか?!」
みさえ「たくさん撮らなきゃならないから、何年かは会えないって…」
しんのすけ「えー?だって今日は特別な日なんだから、帰って来るのは当たり前じゃん。」
ひろし「何かあったっけ?さっきからひまわりが教えてくれないんだ。」
しんのすけ「え、本当にわからないの?」



252 :しがない北の人:2012/09/24(月) 22:19:35.66 ID:f3ukDQ1I0
ひまわり「もうお兄ちゃん教えてやってよ。」
しんのすけ「んもうー仕方ないですなぁー。」
ひまわりの娘「ですなぁー!」
ひろし&みさえ「?」
しんのすけ「ハッピーバースデイ、60歳の誕生日おめでとう、父ちゃん。」



253 :しがない北の人:2012/09/24(月) 22:22:17.04 ID:f3ukDQ1I0
ひろし「え、あ、えええ?!」
みさえ「あら、今日だったっけあなたの誕生日。」
ひまわり「えーちょっとお母さんが忘れるってどういうことなのw」
しんのすけ「そんなんだから妖怪三段腹なんだゾー。」
みさえ「…うぉーりゃりゃりゃりゃりゃ!!!」(ぐりぐりぐり
しんのすけ「あぁん幼稚園ぶりの痛みいぃぃぃいいいいぃぃいいぃいいいい!!!」



255 :しがない北の人:2012/09/24(月) 22:27:46.98 ID:f3ukDQ1I0
しんのすけ「んもうー母ちゃんったら乱暴なんだからー…」
ひろし「まさかお前たち、俺の誕生日だからわざわざ来たのか?!」
ひまわり「うん。」
しんのすけ「そうだゾ。」
ひろし「お前たち…」
ひまわり「泣くのはあとあと!お兄ちゃん、カメラ持ってきてるんでしょ?」
しんのすけ「おぉ、もちろん!さ、皆で父ちゃんを囲ってあげてー。」
ひろし「あ、なぁしんのすけ。」
しんのすけ「ん?」
ひろし「その写真、貰えるんだよな?」
しんのすけ「当たり前だゾ!」
ひろし「…ありがとう。」
しんのすけ「んじゃ、撮るよー。1、2の…」



256 :しがない北の人:2012/09/24(月) 22:38:27.60 ID:f3ukDQ1I0
-深夜-
ひろし「日付は書かなくていいな。何の日かわかるし…
"久々に日記を書く。今日は俺の誕生日。
しんのすけとひまわりが久々に帰ってきてくれた。わざわざ俺の誕生日を祝いに。
俺は幸せ者だと思う。
妻と子どもと孫に還暦を祝ってもらえて。
親父もこんな気持ちだったのかな。
できることなら、このまま老衰で死にたいな。
皆に看取られながら死にたい。親父みたいに。
まぁまだ死ぬ気はない。しんのすけの子どもの顔も見てないしな。
明日はみさえと二人で散歩に行こうと思う。俺の誕生日忘れてたんだから、俺のわがままに付き合ってもらおう。
今度しんのすけから今日の写真を貰ったら、どこに飾ろうかな。今から楽しみだ。"
…こんなもんだろ。久々だから長くなっちまったなwさて、寝るか。」
"追伸。俺は本当に幸せ者だ。
みさえ、しんのすけ、ひまわり、ありがとう。
俺の家族でいてくれて、ありがとう。"
-完-